2002前半戦総括(2)決勝

phantomは予選で遅れてもレースでトップに立つ

2002.12.23更新

 決勝の傾向を調べると、いくつかの興味深い事実が浮かび上がってきました。トラブルの増加、phantomの往年のプロストを思わせるレース展開などです。


逃げるphantom、追うUCHIS。

 2002年第8戦までのポイント推移です。第3戦ブラジルからphantomと他ドライバーとの差が開き始めています。
 UCHISがスペイン、オーストリアと連勝を決め、驚異的な追い上げをみせましたが、欠場したカナダでphantomが優勝し、23ポイントにまで差を広げました。チームメイトのjohnnyも速さはありますが、phantomを止めるまでにはいたっていません。
 中堅グループでは、第8戦より昨年のゴールデンコンビ(hh, e-2000)復活のザウバーの2台とジャガーのOnpuがコンスタントにポイントを獲得し、上位に迫ろうかという勢いです。また、アロウズにとってはポイントゲッターのジェリドの撤退は痛いところです。


 2001年チャンピオンのhhと比較すると、2002年に同じウィリアムズに乗るphantomはほぼ同等のハイペースになっています。
 第8戦まではすべて表彰台圏内であり優勝も4回(2001年のhhも4回)決めています。
 第8戦終了時のランキング2位は今年はUCHIS(MCL)、昨年はクワトロ(FER)です。昨年のクワトロは途中撤退によりhhが最後まで独走してしまいましたが、今年のUCHISはどこまで迫れるでしょうか。それとも今年も青(ウィリアムズ)の時代になるのでしょうか。


増加したトラブル

 今年度からメカニカルトラブルの導入により、リタイヤが増えました(8戦で22回・平均3台近く)。これまでもガス欠と回線落ちによるリタイヤはあったのですが、今年はエンジンやブレーキにトラブルが発生した車がありました。
 トラブルは特に中位〜下位チームに発生する傾向がありました。遅い車をなんとか速く走らせようと、燃料を少なく、またエンジンに負担をかけてしまうのでしょうか。
 アクシデントはスペインで3台に発生しました。操舵系はカナダで1台にハンドルトラブル(実物)が発生した模様です。
 やはり完走しないと、たとえポイント圏外でもランキングアップは望めないので、なんとか50%、ゴールまで車を運んで欲しいものです。


 ドライバー別のリタイヤ数です。
 ドライバーではpukoの3回、チームではザウバーとBARの4回が最多です。ザウバーは完走したGPではポイントを獲得する率が高いのですが、BARの場合は現在の不調をあらわしているともいえます。



グリッド順のままなら順位が変わる

 グリッド時点でポイントを付与したら、どうなるかをあらわしました。ここでは速さと強さのバランスを見ることができます。
 得点トップのphantomですが、もしグリッド順のままだったらUCHISがトップです。この2人をe-2000とjohnnyが追っています。中堅ドライバーの争いも激しく、10ポイント前後の争いから次に誰が抜け出すのか興味深いところです。
 現在最強ドライバーのphantomはグリッドからさらに良い結果をめざし、それが成績に結びついていると言えます。これは往年のプロストを思わせるレース展開です。


Back
inserted by FC2 system