VF1CS2003シーズン総括

RSX(MCL)が初代チャンピオン。コンストラクターズもMCLが制す。

2004.09.11作成

 新シリーズとして開幕した"Virtual Formula1 Championship Series"。序盤は一桁だった参加者数も終盤はフルグリッドに近い盛況となりました。NETF1GP古参のドライバーに加え、他F1カテゴリーから実力派ドライバーが多く参戦し、年々、レベルの上昇はとどまるところを知りません。NETF1から通算8シリーズ目にして、初のMCLのコンスト制覇となった2003(VF1)シーズン、結果を振り返ってみます。(文中敬称略)

 上の2つのグラフは全16戦のドライバーズポイントとコンストラクターズポイントの推移です。
 第2戦マレーシアで優勝したMCLのRSXがトップに立つと、そのまま最後まで逃げ切りました。中盤戦までの3勝と表彰台獲得率の高さで貯金を作りました。MCLとしては前半戦でのdera(第2戦までのVincentから改名)とDDのポイントゲッツもタイトル獲得に効きました。
 TYTはS.CとMittaのコンビでシーズンを戦いきり、それぞれ2勝と1勝をあげてMCLを追いかけました。特にS.Cは中盤戦までタイトル争いを繰り広げる活躍でしたが、欠場した3戦全てでRSXが優勝したのが痛かったかもしれません。TYTは後半戦苦戦しましたが、最終戦でのダブル入賞でコンスト4位からRENとWILを抜いて一気に2位まで上がり、有終の美を飾りました。
 序盤、抜け出すかに見えたWILでしたがVeronicaの離脱で失速し、復活するのは第6戦以降、MCLから移籍したderaの活躍を待たねばなりませんでした。deraは中盤戦以降で2勝をあげるなど実力を発揮してトップのRSXにただ一人最後まで食い下がり、ランキング2位を獲得しました。終盤、復帰したTakashiがWILで出走し、ポイントを獲得しています。
 RENはFrulliが第7戦モナコまでに3勝を挙げて、ノった時の速さを見せました。しかし中盤戦での一時離脱で、タイトル争いからは後退しました。pukoは最高位は惜しくも2位ながら、出場したレースでは安定して結果を残し、ランキングトップ5に入りました。終盤戦は途中参戦のOnpuが実力を発揮し、コンストでWILと競り合いました。
 序盤でのTakashiの撤退で、FERは苦戦するかと思われました。しかし残った新人のG8がふんばり、後半戦ではなんと驚異の3連勝をマークしてランキング3位を獲得しました。ただ、残念ながらタイトル争いに加わるには一歩遅かった感があります。途中参戦の新人LUCIDAはBARから移籍して来ましたが、いきなり強者ぞろいになった終盤は苦しんだようです。
 BARは出走が第11戦イギリスからとなり、新人LUCIDAがポイントを得ています。次の第12戦ドイツからは終盤戦を圧巻の走りを見せたShinjiが参戦。参加全戦で表彰台を獲得、2勝を挙げ、ランキング7位を獲得しました。BARでの再参戦となったFrulliはShinjiと同点ながら順位は上の6位をギリギリでキープ。BARはコンスト6位を獲得しました。
 JORも出走数が少なかったですが、終盤途中参戦のGAKU2とkeiがそれぞれポイントを獲得し、コンスト7位につけました。特に、雨となった第15戦アメリカでの走りが印象的で、GAKU2は2位表彰台を獲得しています。
 SAUも終盤のみの出走でしたが、Nickの走りが光りました。参戦した5戦で全てポイントを獲得し、途中参戦組ではShinjiに次ぐ、ランキング11位にまで上がりました。
 残念ながらJAGとMINはポイント獲得がなりませんでした。MINに至っては第13戦ハンガリーで復帰したTakashiによる出走1戦だけでした。JAGも車のパフォーマンスが劣り、終盤の激戦ではポイント獲得は困難だったと思われます。

<ドライバーズ・ランキング>
ドライバー 得点 優勝 PP FL 表彰台 入賞 完走
1 RSX 102 3 3 6 11 15 15 1
2 dera 82 2 5 3 7 14 15 1
3 G8 66 3 2 1 6 11 11 3
4 S.C 61 2 1 1 6 9 12 1
5 puko 47 - - - 3 10 11 -
6 Frulli 40 3 - 1 3 6 6 2
7 Shinji 40 2 1 2 5 5 5 -
8 Mitta 34 1 - - 1 8 12 -
9 DD 19 - - - 1 5 5 1
10 Veronica 16 - 1 - 2 2 2 -
11 Nick 15 - - - 1 5 5 -
12 Takashi 15 - 3 1 - 3 3 2
13 Onpu 13 - - 2 1 4 4 1
14 GAKU2 9 - - - 1 2 2 3
15 kei 8 - - - - 2 2 3
16 LUCIDA 5 - - - - 1 3 1
17 tomo 0 - - - - - 4 -
18 UCHIS 0 - - - - - 2 1
19 riui 0 - - - - - 5 -
20 Cakku 0 - - - - - 1 1
21 Taki 0 - - - - - - 1
<コンストラクターズ・ランキング>
チーム 得点 優勝 PP FL 表彰台 入賞 完走
1 McLAREN MERCEDES 129 3 3 6 11 22 24 4
2 TOYOTA 95 3 1 1 7 17 24 1
3 WILLIAMS BMW 95 2 7 3 10 15 16 2
4 RENAULT 94 3 - 3 7 18 19 3
5 FERRARI 76 3 4 2 6 13 15 4
6 BAR HONDA 51 2 1 2 5 8 8 -
7 JORDAN FORD 17 - - - 1 4 4 6
8 SAUBER PETRONAS 15 - - - 1 5 10 -
9 JAGUAR COSWORTH 0 - - - - - 5 1
10 MINARDI COSWORTH 0 - - - - - - 1
※第14戦イタリアでOnpu(REN)とdera(WIL)がFL同タイム。

 上の2つの表はドライバーズとコンストラクターズのランキングと、優勝、ポールポジション(PP)、ファステストラップ(FL)、表彰台、入賞、完走、リタイア(R)の各回数です。赤数字は各項目での最高値を示しています。
 新チャンピオンのRSXは優勝3回にとどまり、Frulli、G8と合わせて3人が優勝回数で並びました。優勝者が7人出る混戦でした。PP回数ではderaが5回をマークし、今シーズン最速だったと言えるでしょう。終盤のG8の3連勝も見事でした。RSXはFL、表彰台、入賞で最多を記録し、レースで安定した強さを見せました。出走回数は少なかったものの、FrulliやShinjiは強烈な印象を残し、優勝をさらいました。S.Cは2勝をマークして復活。Mittaはついに初優勝を成し遂げました。
 コンストラクターズでは2〜4位が最後まで接戦でした。上位6チームで優勝者が出る混戦で、本来のF1のあるべき姿かも知れません。PP回数トップのWILが一発の速さをマークし、FL回数トップのMCLがレースでの速さを見せました。雨の第15戦アメリカでのブリヂストン勢の活躍もあり、結果的には上位〜中位チーム間で力が拮抗していたと言えるでしょう。終盤での出走となった6位BAR以下のチームも際立った速さを見せ、出走回数が多ければ全体の流れも変わっていたかもしれません。


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